今年も気づけば折り返し…
半年間に読んだ本を振り返る季節がもうやってきてしまいました。
この半年は、ある2つの理由から技術関連以外の本を多く読むことになりました。 図書館においてある、興味のある技術書をだいぶ読んでしまい残りの玉数が少なくなってきたことが1つ。そしてブログの文章力を改善したかったことが1つ。
名前は知っているけども内容は知らない。 そんな本を読むいい機会になりました♪
技術系の本
高速信号ボードの設計 応用編 / 高速デジタル信号の伝送技術
高周波回路・基板をつくるための知識やテクニックについての本です。
基礎編が知識メインだったので応用編こそは…!
と期待していたのですが、応用編も知識メインでした。
Amazonで評価の高かった「高速デジタル信号の伝送技術」も設計テクニックについてはちょっとしか書かれていなかったので、高周波基板設計に近道なし ということなんでしょうか…
LVDSオーナーズマニュアル
HDMIの中で使われている低電圧作動信号を用いた製品づくりのためのマニュアルです。
「高速信号ボードの設計」と「高速デジタル信号の伝送技術」ではいまいち詳しく書かれていなかった終端抵抗についての話が書かれており、大変参考になりました。
MSX2テクニカル・ハンドブック
MSXという往年の名コンピュータについて書かれた本です。
僕はいま「NorゲートだけでCPUをつくる」というプロジェクトに取り組んでおり、それが終わったらNorOnlyPCをやってみようかと思っているのでその参考に。
NorだけでCPUをつくるプロジェクトの話はこちら
Chiselで始めるデジタル回路設計
Chiselという、Scala上に構築されたハードウェア記述言語について書かれた本。
NorOnlyCPUはVerilogで記述したのですが、モジュール間の接続ワイヤのタイポによるエラーが頻発してそれはもう苦労しました。 なのでもう少し賢いエコシステムが備わった言語に移ろうかなと。 その候補としてChiselを考えているのです。
ほんとは言語記述なしでやりたいんですけどね。 いかんせん複雑なもので…
SSDの同人誌3
自作SSDの話など、SSD関連のネタがいろいろ書かれている本です。
NorOnlyPCを作る際に外部ストレージをつけようと考えているのですが、SDカードでお安く済ますのか、ロマンを求めてNOR型フラッシュチップで外付けSSDを作るか。 フラッシュチップが想像よりも高かったのでとても迷っています。
イラストで学ぶロボット工学
ロボットを作るために必要な種々の入門知識やよくあるロボットの構成などがイラスト付きでわかりやすく載っているんだろうな〜と思って読んでみたのですが、中身は「マニピュレータ制御に必要なサーボ付き多関節振り子の運動方程式の導出 + PID制御」といった感じでした。 ロボット工学の中でも ロボット制御工学 にフォーカスされています。
セルフホストのすすめ
個人のサーバー上でセルフホストできるおすすめソフトウェアがまとめられている本です。 おうちサーバーの機運が高まっていたのでよさげなものはないかなと思って読んでみました。
ただこの手のソフトウェアはやたらと高機能なために結構なリソースを消費するものが多いです(メモリ1GBくらい平気で持っていく)。 うちのサーバーはそんなに潤沢なリソースをもっているわけではないのでなかなか厳しい。
なので結局ほとんどのソフトウェアが自分で書いたやつになるんだろうなーって気がしています。 現段階で3/7は自家製ですし。
自家製のRSSジェネレーターについてはこちら
植物の育種学
野菜とかの品種改良を行う方法について書かれた本です。 あとで出てくる「変化朝顔図鑑」を借りようとしたときに目についたので借りてみました。
白菜とカブが同じ品種らしいことにとても驚きました。 そのうち白菜とカブがくっついたみたいな野菜がスーパーに並ぶ日が来るのでしょうか…
栽培植物の自然史 野生植物と人類の共進化
スーパーで売ってる野菜のルーツに関する研究について書かれた本です。 これも「変化朝顔図鑑」を借りようとしたときに目についたので借りてみました。
個人的にはお米の話が興味深かったです。 インディカ米とジャポニカ米はけっこう根本から違うらしい
技術系以外の本
三体 / 三体 II / 三体 III
地球よりも遥かに優れた科学力をもつ文明からの侵略者とその信奉者達に対してどう立ち向かっていくか…という宇宙人モノのSFです。
ネットでの評判があまりにも高かったもので「流石にそこまでじゃないだろう」と思いながら読み始めたのですが…
いやはや噂に違わぬ面白さでした。
主人公の出会う怪奇現象がどういう理論で引き起こされているのかがきちんと説明されるので、なるほどなるほどと世界観に入り込んでいけます。
登場人物、特に史強という人物が大っ変に魅力的で…! 最初は「嫌なヤツ〜」となるのですが、長年の勘を用いて主人公を助け、粗暴ながらも優しさを感じる励ましをしてくれ… そんなうちに史強のことがどんどん好きになっていきました。 2 で史強が再登場したときは本当にうれしかったです。
三体は 三体・黒暗森林・死神永生 の三部作になっています。 なかでも2の黒暗森林が超面白いです。 でも3は読まなくてもいいかなって感じ
月は無慈悲な夜の女王
地球に植民地支配されている月の人々が、知能をもったスーパーコンピュータと共謀して地球からの独立を目指す話です。
スーパーコンピュータくんがあまりにも有能なので 「これ独立した後にAIの独裁がはじまっちゃいそうだな〜」 「いったいどうやって回避して月面人類の自由を勝ち取るんだろうか?」 などなど考えながらワクワクして読んでいたのですが、ご都合な感じで処理されてしまったのが非常に残念。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
逃亡アンドロイド達を狩るうちに人間とアンドロイドの違いはどこにあるのかと悩みはじめ…という感じのSFです。
タイトルが有名ですよね。 「XXXはYYの夢を見るか」といったオマージュは一度目にしたことがあると思います。
阿Q正伝
魯迅作、世界史の教科書に出てくるやつです。
嫌なことや失敗をやたら好意的に解釈して自分は成功者なのだと信じこむことで現実を見ないようにするって話です。 正直今読んで面白い作品ではないかな。
夜間飛行
サン=テグジュペリ著、飛行士が命をかける裏でおじさんがメソメソする話です。
自分はあんまり好きじゃなかったかな。
ファウスト
ゲーテ作、疾風怒濤運動の代表として世界史の教科書に出てくるやつです。 戯曲という、劇の台本みたいなフォーマットで書かれています。
戯曲なので話の展開は結構急です。 可哀想なシーンが多めですが、悪魔がコメディー調なのでそんなに暗くならずに読めました。
ライ麦畑でつかまえて
これもタイトルが有名な本です。
思春期の男子が学校を抜け出して社会や周囲の人間に辟易し鬱憤をたらす話です。 女性を侮蔑するような発言がとりわけ多く、いや〜な気持ちになりながら読んでいたのですが、オチのおかげなのか読後感はとても爽やかでした。 もうこれを読まなくていいという開放感からくるものかもしれませんが…
ロリータ
ロリコンがシングルマザーを誑かして娘を略奪する話です。 ロリータ と言う単語のもとになった本。
裁判所か拘置所かどこかで回顧している感じで話が展開していくので誘拐とか未成年淫行とかそのへんの罪でしょっぴかれてんだろうなーと思っていたら、いきなり人殺して殺人罪に問われていることがわかって驚き。 こういう少し古めの本を読んでいると予想とは違う展開にすすむことが多く、価値観の違いを感じられてよいですな。
蟹工船 / 一九二八・三・一五
小林多喜二作、プロレタリア文学として日本史の教科書にのってるやつです。
社会主義って当時こんな感じで宣伝されていたんだな〜というのがわかって面白かったです。
雪国
川端康成著、宿場町での芸者との交流をえがいた小説です。 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」で有名ですね。
昔の文豪って宿場町に長期滞在する系の話をよく残してますよね。 こう言うのを読むと閑静な古宿に2週間ほど泊まり、インターネットから離れた安らかな生活を送りたいなって気持ちになります。 でもそれは叶わぬ夢。 本業がコンピュータだから…
西洋の敗北
各国の政策・主義や家族形態をもとにして西洋のあり方に警鐘を鳴らす、といった感じの本です。
私はふだんニュースはNHKしかみないのですが、NHKのニュースは親ヨーロッパ的なのでたまにはそうでない考えを取り入れようかなと思いまして。 そういう見方もあるんだなーとなかなか興味深かったです。
ニューエクスプレスプラス アラビア語
Duolingoのアラビア語コースを完了し、いったん文法を確認したくなったので読んでみました。
英語以外の学習本は 「観光客向けに便利なフレーズを集めてみました!」 「大学講義の教科書としてひたすら文法事項を羅列しました」 といった感じのものばかりでなかなかちょうどいい塩梅のものを見つけるのが難しいのですが、ニューエクスプレスシリーズは基礎的な文法事項と程よい実用フレーズがまとまっており最初の1冊には大変ぴったりだと思います。
以前の記事で「6月にアラビア語検定が実施されるみたいだから受験しようかな」と書きましたが、なんと中止になってしまったようです。 う〜ん残念
以前の記事はこちら
ニューエクスプレスプラス ロシア語
ロシア語もコース全体の半分ほどまできたので、文法を復習しようと思いまして。
格変化を勘でやってしまっているのでちゃんとやるようにしないとなー
文語訳旧約聖書 - 1 律法
かの有名な聖書です。
内容は 創世記/出エジプト記/レビ記/民数紀略/申命記 です。
ざっくり説明すると、創世記は世界創生からアダムとイブ、そしてノアの方舟の話。
出エジプト記/レビ記/民数紀略/申命記はモーセの話で、エジプトを脱出して乳と蜜の流れる地へと向かいその道中でいろいろ戒律を教えられるという感じ。
聖書はいろんな創作物で引用されているので、知っているフレーズが多くてなかなか面白かったです。
変化朝顔図鑑
変わり種の朝顔について書かれた図鑑です。
猛烈に朝顔が植えたくなったので読んでみました。 メルカリ&ヤフオクで変わりもののタネ買って植えてみたのでそのうち記事に書こうと思います。
アプリなどを作ったりしています! よかったらみていってください→
つくったもの
今のイチオシ↓